企業価値向上のための“攻め”のサステナビリティ経営「Booostカンファレンス」開催レポート① トークセッション

トランジション期における 変革と投資の最前線

オープニング

登壇者

Booost株式会社

代表取締役 青井宏憲

2010年よりコンサルティングファームで、スマートエネルギービジネス領域を管掌し、スマートエネルギー全般のコンサルティング経験が豊富。2010年よりこの業界で知見を積み、創エネ、省エネ、エネルギーマネジメントに精通。2015年4月、booost technologies株式会社を設立。Sustainability ERPをローンチし、時価総額5,000億以上のエンタープライズ上場企業を中心に、85ヶ国以上、約2,000社192,000拠点以上(2025年2月時点)の導入を推進。サステナビリティ関連財務情報開示全般の深い知見を持つ。Green×Digital Consortium運営委員。

2026年、サステナビリティが“経営力”そのものの尺度になる

サステナビリティはもはや企業の義務対応ではなく、成長を生み出す経営戦略の中核テーマへと変化している。

世界では財務・非財務を統合した「価値創造経営(経営3.0)」が進み、企業は中長期的な“稼ぐ力”を示すことが求められている。

Booost株式会社(以下、Booost社)は昨年より「サステナビリティ2026問題」を掲げ、ミニマムな制度対応に留まる企業と、CXOが主導して全社で変革に挑む企業との間で大きな差が生まれると警鐘を鳴らしてきた。

2025年9月にBooost社の特別顧問に就任した金融庁 元長官の栗田照久氏もオープニングに登壇し、「サステナブル開示は経営と一体化し、企業を変革するゲームチェンジャーになる」と説明。サステナビリティが“経営力”を測る新たな尺度になると強調した。

機関投資家と探る “攻めのサステナビリティ経営” ― 競争力を拓くダイバーシティの力

登壇者

アセットマネジメントOne株式会社
運用本部リサーチ・エンゲージメント部
エグゼクティブESG アドバイザー 寺沢 徹 氏

1988 年富士銀行( 現みずほ銀行) 入行。金利デリバティブ、証券化商品投資、ALM(Asset Liability Management)など幅広く市場部門業務やカストディ業務に従事。2015 年よりみずほ投信投資顧問(現アセットマネジメントOne)運用企画部長。2016 年10 月アセットマネジメントOne責任投資部長を務め2022 年よりエグゼクティブESG アドバイザー。 経済産業省「伊藤レポート3.0」など各種委員、人的資本経営コンソーシアム企画委員・TCFD コンソーシアム企画委員等を歴任。ジャパン・スチュワードシップ・イニシアティブ運営委員長。

Booost株式会社

取締役 COO 大我 猛

元SAP 常務執行役員 チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー。1997年、日本オラクルに入社。ITコンサルティングおよび経営企画に従事。その後、コンサルティングファームにてM&Aによる企業統合コンサルティングを担当。2008年に世界最大級のB2Bソフトウェア企業であるSAPに入社。チーフ・カスタマー・オフィサー、デジタルエコシステム統括本部長などを歴任して、2020年に常務執行役員 チーフ・トランスフォーメーション・オフィサーに就任。大企業とスタートアップの共創事業、サステナビリティソリューション事業など複数の新規事業を立ち上げて統括。2023年1月、Booostの取締役 COOに就任。

数字では測れない“本気度”が企業価値を決める

本日は「攻めのサステナビリティ経営」をテーマに、アセットマネジメントOneの寺沢さんとお話しします。寺沢さんは経済産業省の「企業の競争力強化のためのダイバーシティ経営」委員会にも参画されていますが、まずは改めて、ダイバーシティという言葉をどのように捉えていらっしゃいますか?

日本ではダイバーシティというと「女性活躍」という文脈で語られることが多いですよね。ただ、本来の意味はもっと広く、経験や知の多様性を経営にどう取り込むかという点にあります。私たちの業界でも、女性役員や管理職が多い企業ほど株価との正の相関が見られるというデータがありますが、それは単なる数字の話ではありません。制度や環境が整うことにより、多様な視点が経営に反映され、結果として企業価値の向上につながっています。そうした構造を理解し、腹落ちしているかどうかが大切だと感じています。

多様性を「経営の構造」としてどう落とし込むかがポイントなんですね。実際、投資家として企業を評価するときには、どのような観点で見ているのでしょうか。

投資家は、開示資料の数値や比率だけを見て判断しているわけではありません。むしろ重要なのは、経営層がどれだけ本気で多様性に向き合っているかということです。例えば、中期経営計画を読んでいても、その戦略が本当に実現可能かを見極めるには、人材戦略や育成の視点が欠かせません。M&Aを行わない限り、採用や教育を通じて社員をどう成長させるかが、企業の実行力を決める。だからこそ、人的資本の部分を重視しま

変革を動かすカギは、人とチームの多様性にあり

具体的には、どんな取り組みが多様性を生かす経営につながると考えていますか?

一番分かりやすいのは、外部人材の登用です。例えば、富士通やNECでは、外部からCFOや人事のトップを迎え入れ、経営の方向性を大きく変えてきました。中途採用も同じで、単なる人員補充ではなく、経営の多様化につながる動きです。とはいえ、外から一人だけ来ても変革は起きません。異なるバックグラウンドを持つ人たちがチームとして融合していくことが大切です。そうでなければ“インクルージョン”は成り立ちません。

なるほど。ダイバーシティを組織文化として根づかせるためには、個人の登用だけでなく、チームづくりの段階から多様性を意識することが重要なんですね。

“攻め”を超えて――サステナビリティを経営の中枢に

最後に、投資家の視点から見て、日本企業に期待する次の一歩を教えてください

サステナビリティを「良いこと」や「CSR活動」として終わらせず、ビジネスモデルにどう結びつけるかが重要です。ここ10年で企業の土台は整いました。次は人的資本をどう活用し、DXやAIなどのテクノロジーを組み合わせて成長につなげていくかです。そのためにも、日本企業には、守りではなく“攻め”の姿勢で挑んでほしいと思っています。

制度対応や数字の目標ではなく、経営そのものを変える力としてのダイバーシティ。今日の議論を通して、投資家と企業が共有すべき視が見えてきた気がします。

ありがとうございます。結局のところ、ダイバーシティもサステナビリティも“経営の話”なんです。形式ではなく、本質的に変えられるかどうか。そこに全てがかかっていると思います。

アーカイブ動画

Youtubeで視聴

    • 00:00~
      オープニング

    • 08:36~
      機関投資家と探る“攻めのサステナビリティ経営”

    • 40:33~
      トランジション期において、経営変革をどう進めるべきか?

    • 1:11:14~
      “攻めのサステナビリティ経営”を支える「booost Sustainability」

    • 1:55:45~
      “攻め”のサステナビリティと企業価値 

関連レポート

 

記事問い合わせCTA